マウスピース矯正 症例

マウスピース矯正に可能性を感じた症例|過剰歯2本がある20代女性を非小臼歯抜歯で治療したケース(亀岡市・南丹市)

こんにちは、はやかわ歯科 小児矯正歯科(京都府亀岡市)です。
前回は、当院が現在ワイヤー矯正を行っていない理由について、過去のワイヤー矯正症例をもとにお話ししました。
今回はその続きとして、私自身が「マウスピース矯正には大きな可能性がある」と感じるきっかけになった症例をご紹介します。
20代女性で、過剰歯と呼ばれる余分な歯が2本ある症例でした。

治療経緯

今回の患者様は、20代女性です。 歯並びの改善を希望され、当院にご相談いただきました。

検査を行ったところ、通常よりも余分に存在する過剰歯が2本あることが分かりました。 過剰歯とは、本来の歯の本数よりも多く存在する歯のことで、歯並びやかみ合わせに影響することがあります。

この症例では、歯を並べるためのスペースや、過剰歯の位置、歯列全体のバランスを慎重に確認する必要がありました。

私自身、もしこの症例を以前のワイヤー矯正中心の考え方で治療していたら、過剰歯2本に加えて、小臼歯と呼ばれる真ん中あたりの歯を上下左右で4本抜歯し、合計6本の抜歯を前提に治療計画を立てていた可能性があります。

しかし、患者様にとっては、過剰歯2本を抜くことだけでも大きな負担です。 そのうえ、さらに小臼歯まで抜くとなると、「できればこれ以上歯を抜きたくない」と感じるのは当然のことだと思います。

ワイヤー矯正なら抜歯本数が多くなっていた可能性

ワイヤー矯正では、歯をきれいに並べるためのスペースを確保する目的で、小臼歯抜歯を行う治療計画が選択されることがあります。

特に歯のガタつきが強い症例や、口元の突出感がある症例では、歯を並べるスペースを作るために抜歯が必要と判断されることがあります。

この患者様の場合、過剰歯が2本あるため、まずその処置が必要でした。 さらに小臼歯4本を抜くとなると、合計6本の歯を抜くことになります。

もちろん、抜歯矯正が必要な症例もあります。 ただ、歯科医師として、「本当にそこまで歯を抜く必要があるのか」「他の方法で歯を残しながら整えることはできないのか」と考えることは、とても大切だと思っています。

この症例は、私にとってまさにその問いを強く感じさせるものでした。

マウスピース矯正を選択した理由

その中で、これまで学んできたマウスピース矯正の考え方をもとに、今回は小臼歯を抜かずに治療できる可能性を検討しました。

マウスピース矯正では、事前にお口の中をスキャンし、歯の位置やかみ合わせをデジタル上で確認しながら治療計画を立てることができます。

歯をどの順番で動かすのか、どの程度スペースを作るのか、前歯や奥歯をどのようにコントロールするのか。 こうした治療の流れを、事前にシミュレーションしながら検討できることは、マウスピース矯正の大きな特徴のひとつです。

もちろん、シミュレーション通りに必ず歯が動くわけではありません。 実際の歯の動きには個人差があり、途中で計画の修正や追加のマウスピースが必要になることもあります。

しかし、治療開始前にゴールをイメージし、歯の移動量や順番を確認できることは、治療計画を立てるうえで非常に大きな助けになります。

スキャン技術と治療計画の進化

ワイヤー矯正の時代にも、お口の型を取り、石膏模型を作り、その模型上でワックスを使って治療後の歯並びを予測する方法はありました。

これはとても大切な診断方法でしたし、現在でも歯の位置関係を考えるうえで、模型診断の考え方は重要です。

ただし、模型はあくまで歯の形や並びを再現したものです。 歯ぐきの状態、歯の周囲の組織、実際のかみ合わせの動き、骨の状態などまでは、模型だけで完全に再現できるわけではありません。

現在は、口腔内スキャナーによって、歯の形や歯列、かみ合わせの状態をデジタルデータとして記録できるようになりました。 さらにレントゲンやCT、口腔内写真などを組み合わせることで、より立体的にお口全体を評価しながら治療計画を立てることができます。

特にマウスピース矯正では、スキャンデータをもとに治療計画を立てるため、歯の移動のイメージを患者様にも説明しやすくなりました。

ガラケーからスマホへ|口腔内スキャナーも進化しています

少し例え話になりますが、昔の携帯電話、いわゆるガラケーの時代は、写真や動画の画質は今ほど高くありませんでした。 当時は携帯電話で撮った写真を大きく引き伸ばしたり、動画をきれいに残したりするのは難しかったと思います。

しかし今では、スマートフォンで撮影した映像が、映画や結婚式の撮影に使われることもあるほど、画質や再現性が大きく進化しました。

お口の中を読み取るスキャナーも、同じように精度や再現性がどんどん向上しています。 以前は難しかったことが、技術の進歩によってできるようになってきました。

もちろん、機械がすべてを決めるわけではありません。 大切なのは、スキャンデータをもとに、歯科医師が歯の動き方、かみ合わせ、歯ぐきや骨の状態を総合的に判断することです。

しかし、現在のマウスピース矯正において、口腔内スキャナーは治療計画を立てるうえで欠かせないものになっていると感じています。

症例写真・治療計画

以下に、今回の症例の写真や治療計画のイメージを掲載します。 過剰歯がある状態で、どのように歯を動かしていくかを慎重に検討しながら、マウスピース矯正を進めました。

20代女性の過剰歯を伴うマウスピース矯正治療前の歯並び
治療前の歯並びです。過剰歯が2本あり、歯を並べるためのスペースやかみ合わせを慎重に確認しました。
マウスピース矯正のスキャンデータと治療計画のイメージ
スキャンデータをもとに、歯をどのように動かしていくかを計画しました。小臼歯を抜かずに治療できる可能性を検討しました。
20代女性の過剰歯を伴うマウスピース矯正治療後の歯並び
治療後の歯並びです。過剰歯の処置を行い、小臼歯を抜かずに歯並びとかみ合わせの改善を目指しました。
20代女性の過剰歯を伴うマウスピース矯正治療前後の比較
治療前後の比較です。歯をできる限り残すことを意識しながら、マウスピース矯正で歯列の改善を目指しました。

治療の詳細

患者様の年齢 20代女性
主訴 歯並び・かみ合わせを改善したい
診断・状態 過剰歯2本を伴う歯列不正
治療内容 過剰歯2本の抜歯、マウスピース矯正
小臼歯抜歯 行わずに治療計画を立案
治療期間 約3年
治療費用 約86万
リスク・副作用 マウスピース矯正では、装着時間が不足すると計画通りに歯が動かず、治療期間が延びる場合があります。 治療中に一時的な痛みや違和感が出ることがあります。 歯の動き方には個人差があり、追加のマウスピース作製や治療計画の修正が必要になる場合があります。

過剰歯の抜歯では、出血・腫れ・痛み・感染・神経症状などのリスクがあります。 また、歯の位置や骨の状態によっては、処置の難易度が変わる場合があります。

すべての症例で小臼歯を抜かずに治療できるわけではありません。 歯の重なりの程度、顎の大きさ、口元のバランス、かみ合わせ、歯ぐきや骨の状態によって、適切な治療方法は異なります。

担当医からのコメント

この症例は、私にとってマウスピース矯正の可能性を強く感じた症例のひとつです。

以前の自分であれば、過剰歯2本に加えて小臼歯4本を抜歯し、合計6本の抜歯を前提にワイヤー矯正を考えていた可能性があります。

しかし、患者様にとって歯を抜くということは、とても大きな決断です。 ただでさえ過剰歯2本の抜歯が必要な中で、さらに小臼歯を抜くことを本当に避けられないのか。 そのことを考えたとき、マウスピース矯正で別の治療計画を立てられないかと強く感じました。

マウスピース矯正は、事前にスキャンを行い、歯をどのように動かしていくかをデジタル上で計画できることが大きな特徴です。 もちろん、シミュレーションがそのまま結果を保証するわけではありません。 しかし、治療前に歯の移動のイメージを確認し、無理のない計画を立てやすくなることは、非常に大きなメリットだと感じています。

ワイヤー矯正で学んだ歯の動かし方や固定源の考え方は、現在のマウスピース矯正にも生きています。 そのうえで、デジタル技術やスキャナーの進化によって、以前よりも治療の選択肢が広がってきたと感じています。

この症例を通して、「歯をできる限り残すために、もっと学び続けたい」「患者様に複数の選択肢を提示できる歯科医師でありたい」と改めて感じました。

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目立ちにくい矯正や、できるだけ歯を抜かずに治療できるか知りたい方は、 大人のマウスピース矯正・インビザラインのページをご覧ください。 歯並びの状態によって治療期間や費用は異なるため、まずは診断が大切です。

まとめ

今回の症例は、過剰歯2本がある20代女性のマウスピース矯正症例です。

以前のワイヤー矯正中心の考え方であれば、過剰歯2本に加えて小臼歯4本、合計6本の抜歯を検討していた可能性がありました。

しかし、マウスピース矯正の治療計画やスキャン技術の進化により、小臼歯を抜かずに治療できる可能性を検討することができました。

もちろん、すべての症例で非抜歯が可能というわけではありません。 しかし、歯をできる限り残すために、どのような選択肢があるのかを考えることはとても大切です。

「できれば歯を抜かずに矯正したい」「マウスピース矯正で治療できるか知りたい」「過剰歯や歯並びのことで相談したい」という方は、一度ご相談ください。

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はやかわ歯科 小児矯正歯科では、歯並び・かみ合わせ・過剰歯を伴う歯列不正など、お口全体の状態を確認したうえで治療計画をご提案しています。
マウスピース矯正が適しているかどうかは、検査・診断が必要です。
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著者情報

院長 早川 倫正

  • 関西大倉高等学校 卒業
  • 大阪歯科大学 歯学部 卒業
  • 公立甲賀病院 歯科口腔外科 勤務
  • 医療法人 スマイルデザイン 吉田歯科・矯正歯科 入職
  • 医療法人 スマイルデザイン 吉田歯科・矯正歯科 副院長就任
  • 医療法人 スマイルデザイン 吉田歯科・矯正歯科 院長就任
  • はやかわ歯科小児矯正歯科 開院
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